「肩は思ってるより後ろからあるんです」
昔のスポ根マンガに植え付けられた「リハビリルーム」への偏見をなくす
今日もリハビリのみ通う。
前回と同じく腕の付け根や肩をほぐしてもらい、腕をあげたり伸ばしたり。
付け根のマッサージがとにかく痛くてうめき声がもれそうだが耐える。
担当理学療法士も「痛い?ごめんねー」と優しく言いながらぐいぐいその手を緩めない。
今回の骨折で初めてリハビリルームに出入りするようになったのだが、遠い昔に読んだスポ根マンガ(どんな漫画…)で?見たような血と汗と涙にまみれた雰囲気は欠片もない。
「ビブ丸!お前のやる気はその程度かぁっ?!」
「くそーっこんな事いくらやっても意味ないんだろっ」
「馬鹿野郎!もう二度と山に登れなくなってもいいのか!?」
「どうせ俺は二度と山の頂には立てないんだよぅ(号泣)」
遠い昔でもさすがにこんなマンガなかったか。
でも、リハビリといえば鬼コーチとセットでこんなイメージが湧いてくるのは私だけではないはず。
実際のリハビリルームはとても明るく、パステルカラーでまとめられたふんわりしたインテリアだ。大きな窓とヨガスタジオみたいな巨大な鏡もあるから更に広々としたイメージ。
理学療法士は若い人が多くて皆マイルドなさわやかさんだ。
もちろんなかなか思うように体が動かず辛い思いをしている方もいるだろうが、表面上は皆さん穏やかにほのぼのした雰囲気の中施術を受けている。
「肩は思ってるより後ろからあるんです」
そんな中、声を殺してマッサージに耐えぬき、耐えた後は前回よりも腕は上がるようになった。あと一息で180度上がりそうだ。
立って自分で腕を上げてみる。
前へ倣え!の状態から上へあげていく、、と、
「腕じゃなくて肩からあげて、、」
「もっと肩甲骨を意識して。肩は思ってるよりずっと後ろから肩なんです」
理学療法士チェックが入った。
無意識に腕を上げると、確かに二の腕を吊り上げてそれに肩がついていくような動きになる。そうではなくて肩から動かし、それに腕がひっぱられていくようなイメージで上げる。
そして肩は、前から見て見える部分ではなく肩甲骨のあたりから肩なのだという。
そこを意識してぐうっとあげていくと、、いつもは意識しない筋肉が動いて、なんだか肩凝りにも効きそうである。